佐東みどり
テレビ脚本・ライター。主な著作に「恐怖コレクター」シリーズ(角川つばさ文庫)、「科学探偵 謎野真実シリーズ」(朝日新聞出版社)など。
作家からひと言
無事二巻を出すことができました。読んでくれているみなさんのおかげです。
二巻では、琴葉と光一郎のコンビとしての活躍が以前にも増して深く描かれています。
物語を書くときにいつも思うのは、『人はひとりでは何もできない』ということです。
どんなに勉強ができても、どんなに運動神経がよくても、ひとりではどこかでつまずいたとき、立ち上がるのはなかなか困難です。
だけどそんなとき、手を差し伸べ、一緒に悩み、苦しみ、はげましてくれる仲間がいれば、人はどんな困難にも立ち向かえるのだと思います。
私の好きな言葉に、『1+1は2ではなく、3にも100にも1000にもなる』というものがあります。ひとりで解決できないことも、仲間がいれば乗り越えることができる。1と1が出会うことにいって、無限の可能性が生まれるのです。
今回の巻では、まさに琴葉と光一郎が互いに協力し合い、怪が起こす様々な騒動を解決していきます。二人とも、怪帰師としても通役としてもまだまだ半人前です。しかし、半人前だからこそガムシャラに怪と向き合っていきます。彼らの頑張る姿を見て、読者のみなさんが元気になってくれると作者として書いてよかったなと思います。
また、この巻から、たぬ吉が本格的に琴葉たちと交流していきます。たぬ吉はちょっと抜けている部分もありますが、その愛らしい姿を楽しんでもらえれば嬉しいです。
二巻の最後で、ついに光一郎の元許嫁・最上瑚江が登場します。光一郎の兄・玲人も合わせ、彼らがどう琴葉たちに関わってくるのか? 次の巻もぜひ読んでくださいね!
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